小悪魔男子
小悪魔キス!!
長い休みの後に
「和樹ぃぃーーーーーーー!!!!」
「ヒィィッ!!」
スパコーン‥ と 気持ち良い音が教室に響き渡る。
中学時代に演劇部だった真希が監督に任命されて
台詞を棒読みでしか言えない和樹にキレていたんだ。
今はもう9月の後半で、テストも終わって暇になった放課後は劇に集中している。
あんなにやる気があった遠藤先生も、何だか急に匙を投げた様な態度になってしまって
真希にその全てがのしかかってしまった。
そのせいもあって真希は機嫌が悪いのかも知れない。
「あんたね、何度言ったら分かるの!!
この役はねぇ、死体にキスするイカレた野郎なのよ!?
もっと変態チックに演じなさいよ!!」
「んなの、分かりたくもねぇよ!」
パァーン!
「ギャァ!」
…怖い。それに劇は、"眠りの森の美女"だったよね?
いつからそんな話になったんだ。
なんて考えていたら…。
「さぁ~なぁ~!」
びくぅっ!
ほら、怒りの矛先があたしにも…
「あんたも、ただ寝てるだけだと思ったら大間違いなのよ!!」