小悪魔男子
「そう言えば、真希は?」
ダンスが始まるまではあたし達と居たのに。
「あぁ。それが、3年の格好いい先輩が来て連れてったわよ。
年上は好みじゃないから名前なんて知らないけど」
「ふーん…?」
誰だろう?
真希は美人だから、もしかしたら告白されてるかも知れないな。
「一応メールしてみようか」
ケータイを引っ張り出した所で、がやがやした人混みの中から真希が現れた。
「ごめん~!!ちょっと、嫌な奴に呼び出されて。
もう大丈夫だから 帰ろうか」
「嫌な奴なの??爽やかそうな人だったじゃない」
薫ちゃんは頭の上にハテナを浮かべていた。
「…まぁ、見かけはね。
とにかく、帰ろう」
こうしてあたし達は家路についたのだけど
真希が会っていた先輩が あの安藤さんだったなんて
あたし達には知るよしもなかった。