小悪魔男子
居る筈なんて ないと思っていた。
だけど
切ない目で 何か言いたげに立ち尽くしている大和が
そこには居る。
…違うの
違うんだよ
これはあたしの意志じゃない。
断れなかっただけ。
あたしから聞いたワケじゃない。
だから 解ってくれるよね?
弁解したくても
届かない 距離。
身体も
心も
もう遠いんだ。
彼が静かに立ち去って行く。
「…ふふ…」
「…?さなさん?」
「…今になって気付いたの。
後悔しても遅いって事に」
不思議そうな顔をするヒカル君と
あたしの気持ちに気付いた3人に見つめられながら
無心でケータイの新規登録ボタンを押した。