小悪魔男子
短いスカートで俺のベッドに腰掛け、わざわざ脚を組み替えてみせる。
何と無駄な動きなんだ。
下着が見えそうな太ももから視線を外し
渡されたパンフレットに変えた。
「―――来週じゃん」
「どうせ暇でしょう?私と会いたくないのは分かるけど、たまには言うこと聞いてくれなきゃ、拗ねちゃうんだから」
可愛くない。
勝手に拗ねてればいいだろ。
行かない と言い掛けたが
「…劇やるんだな」
華耶のクラスが劇をするとパンフレットに書かれていたのに気付く。
「えぇ。眠りの森の美女。
あの子…長谷さんがお姫様役で和樹って子が王子役だったかしら。
ふふ…
仲が良いのね?」
華耶は和樹がさなちゃんを好きだと気付いているらしいが、
残念ながら二人の間で決着はついている。
そんな事は知るよしもない華耶はきっと二人をくっつけようとしているんだろうな。
…それならそれで都合がいい。
下手に真実を知られてしまえば、違う方法を取りかねない。
「それに、ミスター・ミスコンにも二人で出るらしいわよ?
…もし二人で優勝すれば、益々仲が良くなること間違いなしね」
「何が言いたい」
「優勝したミスターとミスはね…」
一部の人しか知らないというその情報を聞いた時
行かなければ という衝動に駆られた。