小悪魔男子
「キス するの。」
だから?
なんて思う余裕はなかった。
勿論、さなちゃんが優勝するという根拠など何処にもなかったけど、1パーセントでもある可能性から目をそらせなかったんだ。
「見たくない?元彼女が他の男に唇を奪われている所を。
だから…来なさい」
唇を噛み締める俺を置いて、華耶は部屋を出て行った。
行かなきゃ。
でも
行ったところで何ができる?
分からないけど
それでも俺は――――――………