小悪魔男子






重たい足を無理やり引きずるようにして、着いた先は学校祭が行われている学校だった。




保護者や他校の生徒がごった返していてなかなか前に進めない。



それでも何とか校舎に入り、持ってきたパンフレットを見る。



さなちゃんのクラスはもう午前の劇が終わりそうな時間だ。昼ごろからのミスコンの出場者の発表があるまでその辺でもうろつこうか。



純粋に楽しむ事なんてできない。



第一一人だし。華耶の元へ行くつもりもない。



……屋上にでも行くか。





場所は分らないけど取りあえず三階に行き、さらに続く階段を探した。



やっと見つけたと思えば、何やら言い争う声が聞こえてくる。




…さなちゃんの声?




何があったのかは分からないけど、まずい雰囲気だという事くらいは分った。



止めようか、立ち去ろうか。




迷っていたところで さなちゃんの身体が落下してくることに気づく。






つんざくような叫び声を聞きながら、俺は彼女の身体を抱きしめた。










< 266 / 346 >

この作品をシェア

pagetop