小悪魔男子





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―大和―





深夜0時







「…が……からこんな事になったんでしょ!?」



「お前だって……だろ!!人の事責める前にな………!」







……あぁ。





またか。






こんな言い争い、毎日の事だ。



だから慣れてる




慣れてるけど





やっぱり嫌だ。







「さなちゃん…」




目を瞑っているのに


温かい何かが頬を伝った―――――………




僕にはさなちゃんしか居ない。


どこにも居場所が無いんだ。



両親は何よりも仕事を優先して、授業参観にも来てくれない。


夫婦仲もどんどん酷くなる一方だった。



会社の事、


家庭の事、


お互いの気に入らない所の事



喧嘩の原因なんていくらでもある。




僕は、1階から聞こえる物音から逃げるようにして布団を被った―――……




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