小悪魔男子
小悪魔キス!!
*さな*
「ねぇ。どこ見て回る?フランクフルトがあるみたいだよ?
でもでも。喉も乾いたよね?
占い?当たるのかなー?」
「さな…」
――――――あの、悲しげな瞳をした彼から見放されて一日が経った。
正確には見放されたのかどうかも分からないけど
なんとなく。
女のカン? 被害妄想?
どっちとも取れる現実に ただただ頭を悩ますばかりだった。
でもいくら考えても、光君にアドレスを渡したという事実は変えられない。
だからこう言う風に 気丈に振る舞って考えないようにしているんだけど
みんなにはそれが痛々しく見えるらしい。
「やめなよ。見てるこっちが辛い」
「え?何?」
「だから!その笑い方何とかなんないの?
『私、悩んでます』って宣言してるようなもんだよ」
真希があたしよりもつらそうな顔で怒ってきた。