小悪魔男子
「…本当?」
悲しそうな顔で見上げてくる大和に、不謹慎にもドキッとしてしまった。
「本当だよ」
そう言ってあげたとたん、それまでの弱々しい態度とは一変して
「じゃあ、その証拠にキスして…?」
小悪魔になってしまった。
「き…キスぅ~!?」
「ねぇ、いいでしょ?してくれないと僕信じられないよ」
そんなこと言われたって、自慢じゃないけど今までに誰とも付き合ったことないんだから
キスなんてしたことない。
「でも…あたしファーストキスもまだなのに…」
小さく呟いてみる。
すると、大和の目つきが変わった。
「へぇ…。さなちゃんまだキスしたことないんだ…?」
「わ…悪かったわね!どーせ人より遅れてますよー」
「全然悪くないじゃん。
むしろ俺は嬉しいよ」
え゛?今、俺 って言った!?
いつもとは明らかに違う様子の大和に戸惑うあたしに
彼は更なる追い打ちをかける。