小悪魔男子
天使の悪魔
あたしは今、おっきな犬に乗っかられてる。
草原と青空だけの場所で、犬はあたしを押し倒し、ペロペロと顔を舐めるんだ。
ピピピ…
小鳥もさえずっていて、何だか気持ちがいい。
ピピピ…
ふふ。くすぐったい…
ピピピ……な …ん
ピピピピピピ… さ……ん
…何? 誰?
ピピピピピピピピピ…
"さ…ちゃん"
うるさいなぁ~
「さなちゃ~ん!」
「!!!!!!!!!」
夢から覚めたあたしの目の前には、
目をつむり、口をすぼめながら顔を近づけている大和の顔があった。
ボフッ!
「ぶッ!!」
身を守るためにとっさに投げた枕が大和の顔面にヒットした。