小悪魔男子





「…あーあ。俺らへの当てつけ?嫌味?

空気を読まない奴って ホントに居るんだな」



それはあんたたちでしょ!?と言いたくなる和樹の小言。



「いーわねぇ。あたしなんて狙ってた子の唇をよりによって男に奪われたって言うのに」


薫ちゃんの言葉はあたしにだけ向けられてる気がしない。



「…ラブラブなカップルほどにくったらしいものはないわ」



嗚呼、真希の言葉が一番キツいです…




安藤さんは…



「………………」




死にかけてるよ…





行こう行こう と あたしを置いて丘を下り始めるみんな。安藤さんは首元を真希に掴まれ、引きずられながら だけど。




恥ずかしさと 小言に対するムカつきで動けないでいるあたし。



あたしだって好きであんなことされたんじゃないもん!



大体みんなだって…


「「「さな」」」



名前を呼ばれて顔を上げる。






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