小悪魔男子
あの日からは大和のセクハラも無くなって、前みたいに仲良くしていたんだけど…
こんな事になるなんて…気をつけるに越したことはない。
「いつ来るの?」
「ん~。きっと夕方になったら来るわよ」
お母さんの予言通り、奴は日が落ちる直前にやって来た―――。
「お邪魔しまぁ~す♪」
「いらっしゃーい!さ、上がって?」
「ありがとう、ゆいちゃん」
玄関での二人のやりとりを、あたしはリビングで静かに聞いていた。
「あ、さなちゃんこんばんは」
「いらっしゃい」
大和はダイニングテーブルに座るあたしにニコッと笑いかけてくる。
あたしはと言うと…
警戒態勢真っ只中なのでニコリともしなかった。
けど、そんな事には気を留めない大和。
テレビを見ているうちのお父さんの所へ行ってしまった。
「今日は1日お世話になります」
律儀にお辞儀までしてるよ…。
「お~!大和君!偉いね、君は。
ゆっくりしてってくれ」
デレデレ顔な父、晶(アキラ)。
大和が可愛くて仕方がないみたい。
しかも
「大きくなったら、さなを嫁に貰ってくれるか~?」