小悪魔男子
互いに抱きしめ合いながら泣く。
…大和の背中がこんなに小さいとは思わなかった。
―――それから、泣き終わるまでの間
背中に回された大和の手は
何かに怯える小さな子どもの様に
ずっとあたしの服を掴んでいたんだ―――――…………
*゚.'゚*.'。.゚*・゚..'゚。*.。'・゚*
あたし達はまだまだ子どもで
自分の力じゃ変えられない事なんていくらでもある。
それでも希望を捨てないのは、
諦めたら何も変わらないって信じてるから。
オトナには分からない…ううん、きっと忘れてしまった気持ち。
だけど…
オトナにならなきゃ分からない事だってあるんだよね。
それが今回みたいな事だと思う。
大和の両親だっていろんな思いがある。
"離婚しない理由に「子ども」は入らない"
きっとそう思ってるんだと思う。
実際、離婚して幸せな家庭もあるわけだし、子どもと離れたって親子としていい関係を築けるかもしれない。
そうかもしれないけど…
その前に、大和の事を散々ほっといてるんだよ?
それなのに離婚を悲しんでる大和の気持ちはどうなるんだろう…
こんなんじゃ、どっちと暮らしても不幸になる。