小悪魔男子


「さなちゃ~ん。乗せてって☆」


「えぇ~?学校近いんだから歩いて行きなさいよ」


あたしは自転車で通学している。かかるのは大体20分くらいかな?大和の小学校は近いくせに、こうやってたまに甘えてくる。


「おねが~い…」


う…ッ……



このうるうるした瞳に弱いんだよな~…。



「しょーがないな~。乗るなら早くしてよ?あたしが遅れちゃう」



「わぁ~い!!」


後ろに立つように乗った大和は、抱きつくようにしてあたしにつかまってきた。


「ちょ…く…るし…」


「ふふっ。さなちゃんだ~い好きだよ?」


「はいはい」



自転車を走らせながら思う。


こんなのいつもの事。



大和は出会っていくらもたたないうちから”すき”とか”あいしてる”とか言うようになった。



子どもの頃は嬉しかったけど、高2になった今じゃもう何にも感じなくなってしまったんだ。


抱きつくのが酷くなったのは最近だけど…

「さなちゃん」


「何?」



ギュっ





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