小悪魔男子
ゴウン……
う…動いたッ!!
ここからてっぺんまでの間、あたしの思考は走馬灯の様に巡っていた……
お父さん、お母さん
先に逝くかもしれない娘を許して……
「わ~ッ!!高ぁい★」
呑気な大和の声を遠くで聞きながら
ゆっくりとあたし達は下降していく―――――………
「ッ!!
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!」
「さなちゃん大丈夫?」
「無理っぽい…」
意識を失いかけて大丈夫な筈がない。
「ごめんね…。
僕、本当に楽しくて
さなちゃんがこういうの苦手だなんて気づかなかったんだ……」
本当に落ち込んでる大和。
「ううん、嫌だって言えなかったあたしも悪いの。
ちょっと休めば良くなるから、大丈夫だよ」
「じゃあ、僕飲み物買ってくる。
持ち運べるようにペットボトルが良いよね?
何がいい?」
「じゃあ、炭酸。サイダーとかさっぱりしたヤツ…」
「分かった!すぐ行ってくるから待ってて!!」
そう言って、彼は走っていった。