小悪魔男子
花でできた時計台の前にあるベンチにぐったりと腰掛けて大和を待っていると
「ねぇ!君ィ~。一人ぃ?」
と声をかけられた。
正面には、ちょっとやんちゃそうな20歳位の男が3人。
「やっべー。俺マヂ好みなんスけど♪」
「あ。コイツには気をつけて。
タカは変な性癖あっからカワイソーじゃん」
「バーッカ!コスプレ、好きだよね?君」
ギャハハハ!
馬鹿じゃない?
あたしがあんたらに付いてく筈無いじゃん。
でも…
こんな体調じゃ、逃げようにも逃げられそうにない。
第一、相手は年上の男3人。
どうすれば逃げられる?
考えているうちに、リーダーと思われる最初に声をかけてきた男が、ドスンと音を立ててあたしの隣に座った。
「ねーねー。シカト?
俺らとさぁ、イイコトして遊ぼー?」
怖い……
「いや…」
そう呟くのが 精一杯だった。
「"いや…"だってさ!"いや…""いや…"」
「なンだよそれ!似てねぇ~!」
「はいはーい!次俺★
"いやーん"」
「言ってねぇし!」
あたしを小馬鹿にするようにして笑っている。
もぉ……ヤダよ!
目に涙が溜まりそうになる
その時だった。