小悪魔男子
「俺は最初から好きだったよ。"どこが"じゃなくて"全部"好きなんだ」
そんな事を言われて顔が熱くならない筈がない。
和樹は冷静に続ける。
「お前は実際、すげぇモテてたんだぞ。中学ん時もさなを好きだって思ってた奴をいっぱい知ってるし。
告白されなかったのは多分、俺がずっと側にいたからだ。
告う勇気は無かったけど、他の男に取られるのは嫌だった。
…随分身勝手だろ?
俺の独占欲のせいで、さなには悪い事をしたって思ってる。
だけど…
それだけ好きなんだ。
その想いだけは誰にも負けない。
だからこのままで良いんだ。
そう思ってたんだけど。
あいつ……大和の存在が俺を焦らせるんだ。
さな。
お前、あいつが好きなんだろ?」