小悪魔男子
「1500円です。並んでますので最後列へ…
あ!ちょっと!」
料金を払うと、チケットを奪い取る様にして列の中を通り抜ける。
大和は最前列を目指しているようだった。
「す…すみません…ッ!」
すごい勢いで睨まれる事に罪悪感を感じてあたしは謝り続けた。
そして先頭に着く。
乗り場には、今まさに乗り込もうとしている若いカップルがいた。
「足元お気を付けください
…って、割り込みは…」
「おい!順番守れよ!!」
そう止められるも、彼はひるむどころか
「五月蠅い」
と言い放つ。
「わ…美少年♪」
「…先、どーぞ///!」
スタッフと彼女の顔が緩むのが手に取るようにわかってしまった。
彼氏の方は怒っていたけどね。