小悪魔男子



出て行った時間は4時前。



「お腹すいたなぁ~…」


すぐに戻って来ると言っていた母だけど、5時になっても戻ってこない。


その時の1時間は凄く長く感じた記憶がある。



待ちくたびれた僕は、小学校から帰っているであろうさなちゃんの家に向かった。



"ピンポーン"



「はーい。あら、大和くん!さな?
えぇ、いるわよ?


さ~なぁ~!大和くんよ?」



予想通り、彼女は帰宅していたようだ。


どたどたと階段を降りてくるさなちゃんを見てなんだかホッとした。



「大和君!どうしたの?」


「僕ね、いまお留守番してるの!」


「うん?」


「でもね~、お母さん全然帰ってこないんだぁ。だから、いっしょに待っててくれないかなぁ??」


「そうなんだぁ。いいよ!


おかぁ~さん!あたし、ちょっと大和のお家に行ってくる~」


夕飯の準備を始めようとしていたらしいゆいちゃんは、エプロンをしながら玄関へと出てきた。


「そう?じゃあ、お夕飯ができたら迎えに行くわね」





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