小悪魔男子
最初はそんな事がきっかけで。
恩返しをしたくてさなちゃんにずっとくっついてた。
だけど、月日を重ねるごとに 彼女はどんどん綺麗に、逞しくなっていったんだ。
使命感から 恋に変わるのはそんなに遅くなかった。
僕なんかが追い付けないほどにさなちゃんは成長していく。
不安で嫉妬や束縛をしてしまう。
つくづく僕はまだ子供なんだって実感するんだ。
ふと手を見ると、そこには遊園地の帰りにさなちゃんから渡された封筒がある。
…また君に助けられちゃうかもね。
けど、もう少し
もう少しだけ待ってて?
ちゃんと立派な男になって見せるから。
-------ばたん。
両親が帰ってきた。
…手の中のさなちゃんからの精いっぱいの気持ちを抱きしめて
僕はリビングへと続く階段へ向かった--------。