小悪魔男子
お父さんに とかわされたあたしだったけど、実はお父さんの方が頼みやすかったりする。
「おとーさん♪」
「さな、お帰り。どうした?」
「えへへ…あのね、お小遣いが欲しいんだけど…」
「もう無くなっちゃったのか?」
「だって、二人のせいで夕飯も自分で買ったりしてるんだよ??それに二人だけで毎週どっか行ってるのはずるいと思わない?」
「う…。しょうがないなぁ。大事に使うんだぞ?」
うふふ…多少汚い手を使ったけど、まあいいか。
手渡された1万円札であと2週間を乗り切る事になった。
「ありがとう♪」
そして、逃げるように部屋へと向かった。
後ろの方から「甘いんだから~」という、呆れたお母さんの声が聞こえた。
ばたん。
「つっかれた~」
ベッドにダイブするようにして寝転がる。
色々あり過ぎて、一生分の疲労が一気に押し寄せたような気がする。実際はそんなことないんだろうけど。