小悪魔男子
いつもよりも少しだけゆっくりご飯を食べて家を出た。
すると大和が
「何でそんなに気合い入ってるの?」
って。
「え?別に気合いなんて入ってないし。ただ早く起きて暇だったから…」
「そう。…僕、和樹に返事するからだと思った」
「それはメイクとは関係ないよ」
「…返事するってことは否定しないんだ?」
うぅ。刑事並の洞察力。余計な心配掛けたくなかったのに、なんですぐにバレるのかな?
「なんて答えるの?」
「それは大和に先に言う事じゃないでしょ?」
真希には言ったけど。
横で不機嫌そうにする彼。
「…いいもん。僕だって…僕だって今日女の子に返事するもん!!でもさなちゃんになんか教えてやんない!!」
さなちゃんに…”なんか”? なんかとは何だ!!
って、突っ込みどころそこじゃなくね?
「僕先行くから!!」
「あ、ちょっと…」
頭の中で一人突っ込みをいれていたら、少年はさっさと行ってしまわれた…。
何だったんだ?
やきもち?
ちょっと違うか…。
ま。とにかく学校へ行こう。
たぶん大和は断るだろうから心配無い。