ようこそ、オバケパーティーへ!
 
気がつくと、かの子が立っていたところは館の前でした。
時計を見ると6時半。
館に入った時間です。

「あれ?
夢…だったのかなぁ?」

何気なくポケットに手を入れると、指先にコツン。
出してみるとそれは小さなベルでした。
かの子はニッコリ笑ってポケットにそれをしまうと、館を後にしました。

それから毎日、かの子は館に通うようになりました。
そして新しいオバケたちとも仲良くなり、とうとうパーティーで出会うオバケすべて…
つまり、かの子は世界のオバケ全員と友達になったのです。

いつしかオバケパーティーには、かの子は無くてはならない存在になっていました。

かの子がパーティーに来ると、オバケたちは大きな拍手で迎えて盛り上がります。
逆に来られない日はパッとしない、何だか寂しいパーティー…
そんな調子でした。

こんなことがありました。
ある日の学校の音楽の授業で、

「かの子ちゃん、歌うまくなったわねぇ。
どこかで練習した?」

音楽の先生の問い掛けに、

「エヘヘ、最近ちょっと…」

と答えたかの子でしたが、毎日オバケたちと歌合戦してる内にうまくなりました!
なんて、先生にはとてもじゃないけど言えません。
クラスのみんなにも大笑いされてしまうでしょう。

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