すれ違い*Pure Love《2》


「瀬川。」


クラスの子に呼ばれて慌てて振り返った。


同じクラスになったこともないのにどうして名前知ってんだろう?


そんな疑問が頭を霞めたけど、特に深く考えることもなく席を立った。


「何?」


「呼ばれてるよ。」


「あ、ありがとう。」


名前も知らない男子にお礼を言って、あたしはドアの方へ足を向け―…




「えっ」


また、固まった。
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