振り返る日々
私達のグループは、授業が終わると学生会館と言う喫茶室にたむろった。
いつもの4人の他に、それぞれの別の学科や学部の友達も加わったりして、結構大勢の人数で賑わっていた。
私の高校時代の同級生で
中国語学科に進学した塚田君もメンバーの一人だった。
彼はがっしりとした体格で一見恐持てながらも気立てがよく寂しがり屋で、異性を感じさせる嫌らしさがなく
皆の人気者だった。
私は彼と宗教学を受講していて、講義の前には学生会館で待ち合わせして
一緒に机を並べて講義を受けた。
前期試験が始まった。
概ね授業には真面目に出席していた私は、試験もさほど苦になる事はなかったが
どうにもこうにもなりそうにない授業が二つあった。
フランス語と宗教学である。
フランス語は格好だけで受講を決めたのは大失敗だった。
それは順子も同じだったらしく、もう前期の途中から私達は落伍者の烙印を押されたも同じだった。
そうなると授業を理解する気力さえ失せ、フランス語の時間は私達にとって筆談の時間になった。
もちろん、試験はボロボロだった。
もう一つは宗教学だ。
試験は論文形式で題目は「キリストについて」 。
持ち込み自由の試験ではあったのだが
キリストの何に的を絞ればよいのか皆目検討がつかず、皆資料集めに四苦八苦していた。
試験本番では私は何とかキリストの最期についての自分なりの解釈と感想を書いたが、及第点を貰えるのかどうか確信はなかった。
試験を終えて教室を出ると、塚田君がやけに口数少ない。
「どうしたん、塚田君。」
と問うと
「俺、宗教学落としたわ。」
とか細い声で答える。
「なんでよ。まだわからんやん」
「いや、俺途中で資料見よってわけ解らんようになってきて、腹立ってきて、目茶苦茶書いたんや。」
「えぇ!?なんて書いたんよ!?」
「………J―WALKのボーカルは、イエスキリストに似ている。」
「……………。」
ともかく、前期試験が終わった。
いよいよ夏休みだ。
いつもの4人の他に、それぞれの別の学科や学部の友達も加わったりして、結構大勢の人数で賑わっていた。
私の高校時代の同級生で
中国語学科に進学した塚田君もメンバーの一人だった。
彼はがっしりとした体格で一見恐持てながらも気立てがよく寂しがり屋で、異性を感じさせる嫌らしさがなく
皆の人気者だった。
私は彼と宗教学を受講していて、講義の前には学生会館で待ち合わせして
一緒に机を並べて講義を受けた。
前期試験が始まった。
概ね授業には真面目に出席していた私は、試験もさほど苦になる事はなかったが
どうにもこうにもなりそうにない授業が二つあった。
フランス語と宗教学である。
フランス語は格好だけで受講を決めたのは大失敗だった。
それは順子も同じだったらしく、もう前期の途中から私達は落伍者の烙印を押されたも同じだった。
そうなると授業を理解する気力さえ失せ、フランス語の時間は私達にとって筆談の時間になった。
もちろん、試験はボロボロだった。
もう一つは宗教学だ。
試験は論文形式で題目は「キリストについて」 。
持ち込み自由の試験ではあったのだが
キリストの何に的を絞ればよいのか皆目検討がつかず、皆資料集めに四苦八苦していた。
試験本番では私は何とかキリストの最期についての自分なりの解釈と感想を書いたが、及第点を貰えるのかどうか確信はなかった。
試験を終えて教室を出ると、塚田君がやけに口数少ない。
「どうしたん、塚田君。」
と問うと
「俺、宗教学落としたわ。」
とか細い声で答える。
「なんでよ。まだわからんやん」
「いや、俺途中で資料見よってわけ解らんようになってきて、腹立ってきて、目茶苦茶書いたんや。」
「えぇ!?なんて書いたんよ!?」
「………J―WALKのボーカルは、イエスキリストに似ている。」
「……………。」
ともかく、前期試験が終わった。
いよいよ夏休みだ。