からっぽ
その音で、空華が起きたらしい。

「・・・やめ・・・て。」

「あぁ!?コイツお前に何したかわかってんのかよ!!!」

どうしても許せなかった俺は、もう一発龍埼を殴ろうとしたが

停学を考えて、やめた。

その代わり、空華を抱きかかえて、屋上に走りだした。




「ちょっ、なにがあったの!?」

「空華、龍埼になにもされてないか????」

返事をせかすように早口に聞く。

「え?なんか、話があるから、空き部屋に来いって言われたから、行ったら、まぁ、水でも飲めって言われて、飲んだら・・・覚えてないやぁ。」

睡眠薬が入ってたんだ。

「あっ、あと、目覚めたら、錐夜が隣で一緒に寝てくれたよ。髪を撫でてきたり・・・。」

「撫でてきたり?」

「キスされた。」

「キスだけか?」

「・・・ううん。それ以上は言いたくない。」

「そっか・・・。」

「でも、助けに来てくれてありがとう!!!!」

「だから、龍埼はやめとけって言ったのに。」

「ごめん~。」

「これからどうするの?」

「え?錐夜と向き合って、考えてみる。何から何までありがとうね!!!!」

「おっおう。じゃあな!!!!」

空華と俺はここで別れた。




< 17 / 24 >

この作品をシェア

pagetop