からっぽ
「何・・・泣いてんの?」

俺からの告白が嫌で泣いてるのかも知れない。

でも、今は期待で胸がいっぱいだった。

「何泣いてんだろうね…。ア…タシバカだね。」

?

「アタシね、錐夜と付き合ったの、けいちゃんが好きだったからなんだ…。錐夜がね、けいちゃんにヤキモチやかせて、好きって気持ちを確かめたらって、俺協力するから、付き合ってるフリしよう。って言われて…。ごめんね…。」

空華の目からは、大粒の涙があふれ出ていた。

「ヤキモチなんかやいて、告白してくれるわけなにのにね…。告白してくれて、ありがとう…。」

???????

俺の頭はハテナでいっぱいになる。これはOKしてくれているのか?それとも、NOなのか?

思い切って聞いてみることにした。

「返事は?」

短いけど、ストレートな言葉。

冷たいけど、これ以外に言えなかった。

空華は目を丸くして、驚いているようだった。

「普通、そうやって聞くもんじゃないでしょ。   …これから、よろしくお願いします。」

頬を赤らめ、照れくさそうに言う空華がかわいくて、抱きしめてしまった。

ギュッ

「…ナニ!?」

「ナニ!?だって(笑) なんか、空華がかわいくて、抱きしめずにはいられなかったていうか…。」

空華が真似されたところを怒りながらも、嬉しそうな顔をしている。

「これから、よろしくな!」

「うん!よろしくね!」

ん?なんか初めて会った時みたいだな。

「なんか初めて会った時みたいだね~。」

俺の心を見通したかのように、しゃべる空華。

「だなっ!」

「でも、あの時は友達で、今は恋人だもんね~。」

「だなっ!」

「じゃっ、教室もどりますか!」

「もどりますか!」

と2人が同時に立った時、俺は思い切って
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