からっぽ
「ねぇねぇ♪黒原恵太ってどー思う?」

あの糞女だ。確か名前は、なんとか季緒(笑)

おぼえれねーや。

「あ?アイツ?ガラ悪いし、しゃべってもつまんねーし、俺は嫌いかな。」

・・・安岐?

「やっぱりそー思う?あたしもそー思うなぁ♪気が合うねぇ★嬉しいなぁ。じゃぁ、想太は?」

想太もいんのか。

信じても・・・いいんだよな・・・?ふたりのこと。

「俺も安岐と同感。口悪いし、今ちょっとふたりで作戦を計画中。」

作戦・・・?

作戦てなんなんだ?

「その作戦てなに?」

俺の心を見通したかのように糞女が聞いた。

「え?まず俺たちに近づける。そんで、安心しろと言って、俺たちを信用させる。信用されたと思ったところで、突き放す。」

そうか、今アイツらは俺を信用させてるところなんだ。

そうかそうか。全部読めたぞ。

♪~♪~♪

ヤベッ。

「ん?これ、恵太の着信音じゃね?」

「けーいた君★いるんでしょ★」

どうしよう・・・。

えーい!もうどうにでもなれ!

「あぁ。いるさ。」

声が震えたかもしれない。

でも、こうしないと一生後悔すると思った。

信じていた安岐と想太に裏切られた瞬間と同時に

学校がまた信じられなくなった。

「やっぱりか。俺、もうお前の友達じゃないから。」

俺はきっぱりと言った。

そして一目散に走って家まで帰った。うっすら涙を浮かべながら。
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