KISSKISS-セカンド-
ちゃんと動くのかと心配していた指は鍵盤をテンポ良く叩く。
思っていたよりもファンの温かい出迎えに喜び、シェイラの歌声に誘われながら楽しい時間を過ごした。
―…感謝しなきゃいけねぇな。
シェイラと2人ステージから深々と頭を下げライブは大盛況のまま幕を閉じた。
ほんの少しだけ、またピアノが好きになってシェイラの歌声と愛される才能を羨ましく思った…
―…その日
打ち上げに誘われると思いも寄らない人物と出会う。
―…そこに居たのは兄貴
何十年ぶりの対面に心は踊る事などなく、ただ曇るだけだった。