KISSKISS-セカンド-
―…約束の時間から1時間
なかなか駐車場も見つからず待ち合わせ場所のカフェに着けば店の奥で不機嫌丸出しのお姫様がテーブルに頬杖をついて窓を眺めていた。
キャップを深々と被り変装をしているせいか店の客は気付いてはいないようだった。
その事に胸を撫で下ろして恐る恐る近付く。
「…すんません」
「……」
無言のまま俺を睨むように見上げて伝票を投げるように手渡すと立ち上がり店から1人出ようとする。
「ちょ…シェ…」
「何か文句でもあるの!?」
―…怖っ!!
「払います…けど待ってもらってもよろしいですかね?」
フンッとそっぽを向いてレジの横でダルそうに会計が終わるのを待っていた。