KISSKISS-セカンド-

「違うもん、焼いたのが苦手なだけだから」

「…却下」

どうでもいいけどお魚さんに失礼だろ!!!


いちいちガキの言う事を真に受けていたらキリがない。

―…ので無視に限る!!


調味料を選んでいると嬉しそうにこっちに小走りして来る。


「これ!!!!」


お菓子は子供の必需品だもんな…


「やめ…ったく…一個だけな」


屈託のない笑顔を見せるとまた、ヒョコヒョコと俺の後をついて歩き始める。


ぐるりと一周してレジに向かおうとした俺に店のおばさんが声をかけた。


「若いご夫婦ねぇ?どう旦那さん♪このソーセージ新製品なのよ?美味しいわよ」


―…夫婦?


俺と、このチンチクリンが!?


冗談にしたって笑えない。
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