図書館で会いましょう
「そうそう、本題を話さないと。」
真理子の声が急にいつもの口調に変わる。由美はティッシュを手に取り目を拭う。
「うん。どうしたの?」
由美も口調をいつものに戻した。真理子はそれに少し安心した。
「来月なんだけと取材でそっちに行くのよ。」
「本当に?」
「そう。詳しい日程や時間が決まったらメールするからご飯でも食べようよ。」
「そうだね。いいね。」
「もしかしたら由美のところも取材するかもしれないんだ。」
真理子の言葉に返事が詰まる。
「本当に…?」
「まぁまだわからないけどね。それじゃあまた連絡するね。」
「うん。じゃあね。」
携帯を切る。最初は出るのが気乗りしなかったが真理子の声で少しは気持ちがかるくなったような気がする。ふと外を見ると雨はいつの間にか止んでいた。
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