図書館で会いましょう
次の日。少し遅めに起きた由美は午前中に洗濯などの家事を終えて午後に備えた。
「良い天気だな…」
朝昼兼用の食事を終えてお茶を飲みながら窓の向こう側を見る。空には雲一つない青空だった。気付けば既に梅雨は過ぎたようだ。日差しは辛そうだが、気持ちの良い空のほうが勝っていた。
「さてと。」
待ち合わせまで一時間ぐらいあるが由美は家を出ることにした。こんな日に家に居ることがもったいないような気がしてならない。それに人の家に行くのに手ぶらだと何かなという気持ちにもなっていた。
外に出ると思いの外、日差しはあまり強く感じなかった。ただ歩き出すと暑さを感じる。由美は手をうちわ代わりに仰いでみたがあまり変わらなかった。
てくてくと歩く。途中、小さなケーキ屋を見つけて中に入った。店の中に入ると微かな冷房の風が当たる。
「ふう。」
思わず息を吐く。
「いらっしゃいませぇ〜」
レジカウンターにいた学生っぽい女の子が声をかけてきた。メイドさんのような服がやけに似合っている。自分だったら似合わないだろうなと思いながら見ていると、
「何になさいますか?」
という声にはっと我に戻った。由美は視線を下に落としてケーキを選ぶ。が、どれも目移りしてしまいなかなか決まらない。
『真理子だったらぱっぱと選ぶんだろうな。』
思わずそんなことを考えてしまう。
「あ、あの〜どんなのがお好みですか?」
レジの女の子が少し困ったような表情で声をかけてきた。たぶん仕事の時以上に眉間に皺が寄っていたのだろう。由美は眉間に入ってた力を抜き、
「ごめんなさい。どれも美味しそうだから。」
と微笑みながら言った。由美の表情を見て女の子も安心したのか表情を崩す。
「ありがとうございます。」
「どれがおすすめ?」
そう聞くと女の子はカウンターの向こう側から二つのケーキを指差した。
「これとこれが人気ありますよ。」
それは洋梨のレアチーズとティラミスだった。
「じゃあ一個ずついただくわ。」
「はい。」
女の子は小さな箱にケーキを入れ、由美に渡した。女の子の奥にある時計を見ると丁度良い時間だった。
『丁度良かったな。』
店を出ると再び日差しが由美を襲う。さっきよりも強くなったような気がしながら駅へ向かった。
「良い天気だな…」
朝昼兼用の食事を終えてお茶を飲みながら窓の向こう側を見る。空には雲一つない青空だった。気付けば既に梅雨は過ぎたようだ。日差しは辛そうだが、気持ちの良い空のほうが勝っていた。
「さてと。」
待ち合わせまで一時間ぐらいあるが由美は家を出ることにした。こんな日に家に居ることがもったいないような気がしてならない。それに人の家に行くのに手ぶらだと何かなという気持ちにもなっていた。
外に出ると思いの外、日差しはあまり強く感じなかった。ただ歩き出すと暑さを感じる。由美は手をうちわ代わりに仰いでみたがあまり変わらなかった。
てくてくと歩く。途中、小さなケーキ屋を見つけて中に入った。店の中に入ると微かな冷房の風が当たる。
「ふう。」
思わず息を吐く。
「いらっしゃいませぇ〜」
レジカウンターにいた学生っぽい女の子が声をかけてきた。メイドさんのような服がやけに似合っている。自分だったら似合わないだろうなと思いながら見ていると、
「何になさいますか?」
という声にはっと我に戻った。由美は視線を下に落としてケーキを選ぶ。が、どれも目移りしてしまいなかなか決まらない。
『真理子だったらぱっぱと選ぶんだろうな。』
思わずそんなことを考えてしまう。
「あ、あの〜どんなのがお好みですか?」
レジの女の子が少し困ったような表情で声をかけてきた。たぶん仕事の時以上に眉間に皺が寄っていたのだろう。由美は眉間に入ってた力を抜き、
「ごめんなさい。どれも美味しそうだから。」
と微笑みながら言った。由美の表情を見て女の子も安心したのか表情を崩す。
「ありがとうございます。」
「どれがおすすめ?」
そう聞くと女の子はカウンターの向こう側から二つのケーキを指差した。
「これとこれが人気ありますよ。」
それは洋梨のレアチーズとティラミスだった。
「じゃあ一個ずついただくわ。」
「はい。」
女の子は小さな箱にケーキを入れ、由美に渡した。女の子の奥にある時計を見ると丁度良い時間だった。
『丁度良かったな。』
店を出ると再び日差しが由美を襲う。さっきよりも強くなったような気がしながら駅へ向かった。