図書館で会いましょう
由美は山を背景にし、その前に北澤が立つ。北澤もやや緊張している感がある。
「北澤さん、緊張してませんか?」
「そりゃあ…ちょっと。」
「まぁ、私もですけど…」
北澤はピントを合わせているのか、何度も顔を動かしている。
「もうちょっと右…」
北澤の指示に従い、由美は立ち位置をずらす。しばらくして、
「そこで。」
足を止める。
「北澤さん。」
「はい?」
「私、どんな表情をすれば良いですか?」
「自然に笑ってください。そう…大事な人に対するように。」
「大事な人…」
由美は一瞬、目を閉じた。大事な人を思い浮かべる。真理子…浩平…まりみ…館長…そして、誠司と北澤が頭に浮かんだ。そして目を開け、カメラに視線を向けた瞬間、シャッター音が鳴る。
「素晴らしい…」
北澤はカメラのモニターに写る写真を見て、そう呟いた。由美はそれをあえて見なかった。
「じゃあ、ここで。」
北澤はカメラから由美に視線を変え、
「遠山さん。」
「はい。」
「また…会ってもらえますか…?」
北澤の問いに少し黙り、北澤に微笑みを向ける。
「私はいつでも図書館にいます。図書館でお会いしましょう。」
由美の答えに北澤は微笑みを返した。
「北澤さん、緊張してませんか?」
「そりゃあ…ちょっと。」
「まぁ、私もですけど…」
北澤はピントを合わせているのか、何度も顔を動かしている。
「もうちょっと右…」
北澤の指示に従い、由美は立ち位置をずらす。しばらくして、
「そこで。」
足を止める。
「北澤さん。」
「はい?」
「私、どんな表情をすれば良いですか?」
「自然に笑ってください。そう…大事な人に対するように。」
「大事な人…」
由美は一瞬、目を閉じた。大事な人を思い浮かべる。真理子…浩平…まりみ…館長…そして、誠司と北澤が頭に浮かんだ。そして目を開け、カメラに視線を向けた瞬間、シャッター音が鳴る。
「素晴らしい…」
北澤はカメラのモニターに写る写真を見て、そう呟いた。由美はそれをあえて見なかった。
「じゃあ、ここで。」
北澤はカメラから由美に視線を変え、
「遠山さん。」
「はい。」
「また…会ってもらえますか…?」
北澤の問いに少し黙り、北澤に微笑みを向ける。
「私はいつでも図書館にいます。図書館でお会いしましょう。」
由美の答えに北澤は微笑みを返した。