先生とあたしの恋

「藤井に用があるんだろう?」

「はい……けど……」

「いいんだ、もうすぐ済むから、ちょっと、そこで、待っていてくれないか?」

「はい。」
そう言って、斎藤は、また顔を引っ込めた。


俺は、斎藤が来てくれて、寧ろ、良かったと思っている。


斎藤が、来なければ、俺…藤井に何をしたか、分からないからな…




「藤井…」


「はい、先生…」

「あした…暇か?」

「はい…」

まだ、涙目の藤井…顔を真っ赤にしながら、俺を見ている。

思わず抱きしめたくなる衝動を抑えながら


「あした、会わないか?」

「は…い…」


「良かった……藤井、携帯は?持っているか?」

「はい……持ってます…」

「ちょっと……貸してくれるか?」





< 318 / 423 >

この作品をシェア

pagetop