先生とあたしの恋
「チクショウ……」
真っ暗な部屋の中
電気をつけずに
ソファーにもたれ込んだ…
何も出来ない…
引き止められない…
藤井を、手放すしかないのか…?
何度、もがいて考えてみてもいい方法が見つからない…
藤井を無理やり引き止めても
今の状況のままじゃ
親思いの藤井を苦しめるだけだ…
このまま…藤井を行かせるしかないのか?
このまま…
このまま…
そんな俺一人を取り残したまま
時間は、更に流れ
きょう、藤井が俺の生徒として、最後の日がやってきた…
明後日には
藤井はもう、俺の元から居なくなってしまう…
俺は、平常心でいられるのだろうか…
そして、この日のHRで藤井の最後の挨拶が、始まった…。