ドール

ドールの過去-奈美サイド-

ピチャン、ピチャン…。


私の耳にのこる、水の滴る音。

どうして私に構うの?


私を売ろうとしたくせに。




ピチャン、ピチャン…。


どうせ人形みたいに思っているんでしょ?


どうでもいいんでしょ?

人形の首がもげようが、どこへ行こうが。



「奈美っ!!」

うるさいなぁ・・・・・。



人形には名前なんて無いよ。


心なんてないんでしょう?!




さよなら。




持ち主。









奈美はこの日、人の心を捨てた。
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