ドール


ある日、私の部屋に一通の手紙が置いてあった。

私が不思議そうにそれをみていると、婦人が来た。



「奈美さん、それ、あなた宛にきていたわ。」

婦人はそういうと出て行った。


私は、ゆっくりと封筒を開けた。


『笹山 奈美様』


笹山・・・・。


もうとっくに捨て、消え去られたはずのその名前が、そこにあった。


豪華なソファーに私は腰を下ろした。


『こんちは。


俺は、中田 秀。

まぁ、知らないと思うけど。



あんたが今そこにいる家の子供。


これが届いた日が7月24日なら、今日、俺家に帰るから。


これからヨロシク☆


てか、たぶんもうすぐ着くよ?


まぁ、お袋にはいってねぇけどな。


じゃ、後で』



ふーん。今日来るんだ。



別にいいわ。

関係ないし。



私はその手紙をたんすにしまうと、洋服をメイド服みたいな服に着替えて、部屋の戸を開けた。



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