ドール
………………美少年……。
私と同じくらいだろうか、それより下くらいだろう。
「あれっ?サプライズすぎた?」
こいつ………。
「奥様、失礼致しました。」
私はゆっくりと立ち上がり、犬をさけながら秀様に挨拶をした。
一応私は家政婦だ。
さっきの営業スマイルをもう一度見せる。
「お帰りなさいませ。お荷物をお持ちいたします。」
秀様は驚いた顔をした。
「えっこの人が家政婦!?いや、俺と同じくらいじゃんっ!こんな人無理でしょっ」
秀様はそう言って自分の上着を私に掛けた。
私は、お荷物は、と言ったが、
「持てないでしょ、こんな重い物」
と言って自分でもって行こうとした。
しかしさすがに私の三年間家政婦としてのプライドがそれを許さなかった。
秀様の持っているトランクを片手でひょい、と横から取った。
「お持ちします。(ニコっ)」
その時、私は達成感に包まれていて、後ろで秀様が、
「おもしろくなるなぁ♪」
などと言っていたことに気がつかなかっのです。