ドール
しばらくすると、もう一度インターホンが鳴った。


私は、秀様の部屋に荷物を運び終わったところだったので、あわてて二階から階段を下りて扉へ直行した。

「はい。どな………」

私が言い終わる前に扉が開いた。

すると、秀様と同じような顔をした青年が立っていた。
私が荷物を持とうとすると、その青年は一言、

「いい。触んな。」

と言って一人でつかつかと二階に行ってしまった。



しばらくして、私がお茶を運んで行こうとすると、二階から奥様の、

「あらまぁ、翔も帰ってきたの!うれしいわ」

と言う声と、

「煩い」

と言う、翔様(さっきの奥様の声からして)の声が聞こえた。

私は、やっかいな人たちが来たと思ったが、顔には出さなかった。

何年ポーカーフェイスやってると思ってんの。(聞いてない)



そして、お茶をそっと持って二階へあがった。

そして、ノックをして、言った。


「皆様、お茶をお持ち致しました。」

その直後!!

いきなり扉が開いて、私の持っているお茶をのせた木のおぼんに扉が直撃した!!


そしてそのまま私側にお茶ごとおぼんがひっくり返り…。





容器はかろうじて私が三つ手で受け止めたが、中身は思いっきり私の体にかかった。


もう、あっついのなんの・・・・。

絶対ヤケドした。



奥様がすぐにタオルをとりにすっ飛んでいった。




すると、いきなり私の体がふわりと浮かんだ。


「・・・・!!?」


「大丈夫かッマジごめん!」

秀様・・・・


ふざけんな・・・・。


「平気です。おろしてください」


平気なワケねぇだろうがっ

って言うのを抑えて得意のポーカーフェイス。

しかし私の顔をみても秀様は動じない・・・。

「とりあえず服脱げ!」

はっ!?

「たいしたことありません。大丈夫ですから。私の不注意です。秀様は席にお戻りください。」








< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop