イケメンhomeless
「薫ちゃんの携帯って

プリペイドだったから

私が渚ちゃんと

同じ携帯にしたら?

そう言ったの

さっき言ってた0411はね

今携帯会社だと

下4桁選べるから

薫ちゃんに渚ちゃんの誕生日

聞いて その番号にしたの

 
ほら!
 
あなたが私を薫ちゃんの

彼女って誤解した日

話が終わってから

携帯作りに行ったのよ!

渚ちゃんと同じ携帯だと

手に入るのに少し

日数がかかってね

それで今日私が取りに

行って来たってわけ」



「そうだったんだ~桜子さん 

薫ちゃん ありがとうね」



桜子さんは私より女らしく

女の人の気持ちが

分かるような人だった

それから3人で楽しく話した

薫ちゃんが家賃を

払えなくなった時も

桜子さんは

「一緒に住もう」って

声をかけてあげたけど

薫ちゃんは桜子さんにも

事情があるからって

住所だけ

置かせてもらってるとか

仕事を探すのも桜子さんが

手伝ってくれてたとかね



桜子さんは帰り際に玄関で

「何かあったら」って

番号とメアドを交換してくれた

薫ちゃんは玄関で見送ったけど

アタシは桜子さんを下まで

送ろうと付いて行ってると


「渚ちゃん!

薫ちゃんはあなたを本当に

好きだからね

出会いは聞いたけど

気にすることなんてないのよ

大事なのは 

過去より未来でしょ」


「はい」


「それから私も一応女だから

何かあったら遠慮しないで

連絡してきてね

じゃあ 帰るわね」


「今日は桜子さんに会えて

楽しかった 

また来て下さいね」



「は~い また来るけど

いい加減 

敬語使わなくていいから」



「はい」


そう言うと

赤いスポーツタイプの車に

乗って桜子さんは帰って行った


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