ふたつの指輪
「うーん、世帯を別にする必要があるな」


尊さんは、顎に手を当てた。


そして、何気ないふうに言った。



「おまえ、とりあえずここに住民票移すか?」


「ここに?」



え?



そ、それってどどど同棲しろってこと……!?



シュボッ


いきなり頭が沸騰したあたしを、尊さんはあきれたように見る。


「何赤くなってんだ、おまえ」




「だだだって、ここここに住所移すって、あの……

そそそれって、籍入れるってこと?」



籍入れるって、ケケケッコン……!!??


てか、あたし、口も回ってないし。
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