ふたつの指輪
「あと1人くらいは客取るのか?

まぁせいぜい小遣い稼ぎしな。

知らん男のモノくわえてな」



バカにしたように口の端をつり上げてふんと笑うと。

伸びをして、ゆっくり立ち上がる。



「ったく、あんたみたいな子がこういうところで働くなんて、俺は……」





「……ここには、ママに行けって言われて来たの」




勝手にあたしの口が動いてた。



……何言ってんだろ、あたしってば。



……こんなこと、この人に言っても仕方ないのに。

どうして口に出してしまったのかわかんない。




一方的にいろいろ言われて、悔しかったのかもしれない。




それとも……?

< 15 / 331 >

この作品をシェア

pagetop