ふたつの指輪
「魁人くんあのね、あたし……聞いてたペンションの電話、掛けようとおもったんだけど」
「うん」
「間違ってたみたいでかからなかったの」
「あ、そうなんだ。
ごめんごめん。
きっとオレが間違ってたんだね、悪かったよ」
やさしくなだめるように言う。
「オレもさ、携帯が壊れちゃって……
山奥だから店もないし、データ取り出せなくて、瞳衣のケータイ番号わかんなくてさ。
だから連絡できなくて。ごめん」
「ああ、そうだったんだ」
ほっとする。
忘れられてたわけじゃなかった。
「瞳衣、今家にいるの?」
「あ、ううん……えっと、友達んち」
「そっか……今もあそこの喫茶店でバイトしてる?」
「明日もバイトあるよ。昼から」
「昼から、ね。
ちょうどいいな。
うーん、どうしようかな」
ゆったりとした調子で。
電話片手に、髪をかきあげながら天井でも見上げてる様子が目に浮かぶ。
「うん」
「間違ってたみたいでかからなかったの」
「あ、そうなんだ。
ごめんごめん。
きっとオレが間違ってたんだね、悪かったよ」
やさしくなだめるように言う。
「オレもさ、携帯が壊れちゃって……
山奥だから店もないし、データ取り出せなくて、瞳衣のケータイ番号わかんなくてさ。
だから連絡できなくて。ごめん」
「ああ、そうだったんだ」
ほっとする。
忘れられてたわけじゃなかった。
「瞳衣、今家にいるの?」
「あ、ううん……えっと、友達んち」
「そっか……今もあそこの喫茶店でバイトしてる?」
「明日もバイトあるよ。昼から」
「昼から、ね。
ちょうどいいな。
うーん、どうしようかな」
ゆったりとした調子で。
電話片手に、髪をかきあげながら天井でも見上げてる様子が目に浮かぶ。