ふたつの指輪
1ヶ月もいないと、すっかり忘れられちゃってるんじゃないかって、思うこともあったから。



魁人くん、何も変わってない。


相変わらず、やさしくて、かっこよくて……



……とっても、刺激的。



魁人くんと会って話すだけで、まるで全身の血が逆流してるみたいな気がするよ。






バイトを上がって外へ出ると、見慣れた車があたしの前に滑り込んできた。


……尊さんの車だ。


「あれ、ジャストタイミング!ありがと」


何の疑問も持たずに助手席にあたしが飛び込むと、すぐに車がスタートする。


「ちょ、ちょっと待ってよ。

まだシートベルトしてない」


「……」



あれ?
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