ふたつの指輪
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「昨日のコーヒー、おいしかったでしょ?」

「ああ」

「また淹れるね」

「ああ。サンキュ」


あたしは尊さんに声を掛けた。


今日は誰かと飲んできたらしく、最初の日に見たみたいな、ちょっぴり赤い顔してる。





ソファに腰掛けて、マグカップ片手にずずっとコーヒーをすすってる尊さんに、あたしは聞いた。


「尊さん。昨日さ」

「うん」

「どうして仕事先に遊びに来いって魁人くんに言われなかったかって聞いたの?」

「……」


尊さんは、眉を上げて、横に座ったあたしをギロリと見た。

鋭い目。


「エスパーかと思っちゃった」

「何が」

「今日言われたから」

「……」


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