ふたつの指輪
「聞いてほしくて言ったんだろ。話せよ」
「あの……」
あたしは重い口を開いた。
「うち、母子家庭なの。
ママはずっとひたすらバリバリ働いて、女手ひとつであたしを育ててくれたんだけど、去年の秋にクビになっちゃって。
ほら、この不況でしょ。
もう40過ぎてるし、なかなか仕事も見つからないの。
それで、ウツ気味になっちゃって……。
ますます働けるような状態じゃなくって」
「……」
「なのに、生活保護の係の人には、ママは働けってハッパかけられて。
ママはますますブルーになっちゃってて」
「……」
「貯金もすっかり底をついちゃって。
今は生活保護で生活してるんだけど、借金も返さなくちゃいけなくって」
「……」
お客さんは、眉を寄せて黙って聞いてる。
「あの……」
あたしは重い口を開いた。
「うち、母子家庭なの。
ママはずっとひたすらバリバリ働いて、女手ひとつであたしを育ててくれたんだけど、去年の秋にクビになっちゃって。
ほら、この不況でしょ。
もう40過ぎてるし、なかなか仕事も見つからないの。
それで、ウツ気味になっちゃって……。
ますます働けるような状態じゃなくって」
「……」
「なのに、生活保護の係の人には、ママは働けってハッパかけられて。
ママはますますブルーになっちゃってて」
「……」
「貯金もすっかり底をついちゃって。
今は生活保護で生活してるんだけど、借金も返さなくちゃいけなくって」
「……」
お客さんは、眉を寄せて黙って聞いてる。