ふたつの指輪
「あ、目、醒めた?」


やさしい声がして。


足音もなく悠然と近づいてくる、亜麻色の髪の王子様が視界に入った。



「大丈夫?」


あたしの寝てるソファの横にひざまづく。


「頭……痛い」


頭を手で押さえるあたしを悩ましげな眼で見つめる。



「ごめんね、昨日は無茶をさせて。

つぶれるまで飲むなんて、まったく無茶なことするよ。

……というよりも、太陽が飲ませたんだね」


あたしの手をしなやかな白い手でそっと握ると、軽くくちづけた。



「聞いたよ、オレのためにいろいろしてくれたって。

悪かったね。ありがと」




(――あ!)
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