ふたつの指輪
「バカか、おまえ……」


(……?)



魁人くんは、視線をそらしたまま、しばらく無言で何か考え込んでるようだった。



かと思うと。




不意に身を乗り出すと、ソファにもたれかかってるあたしの体をぎゅっと抱きしめた。




痛いくらいに、きつく。





服ごしに、魁人くんの体温が、ほんのり伝わった。





(……え?)

< 211 / 331 >

この作品をシェア

pagetop