ふたつの指輪
朝の光に照らされたソファの上で。


魁人くんの白い肌が、あたしの肌にぴったりと重なった。


指と指がしっかりと絡まって――





「瞳衣……」



耳元でささやかれる声は、今まで聞いたことがないくらい甘くせつなかった。






肌と肌が触れ合う中で。



心と心が、ほんの少し、触れあった気がした。



魁人くんの、いつもは天使の微笑の裏に慎重に隠された、ガラスのように壊れやすい、ナマの心に……





目尻からひとつぶ、涙がこぼれた。


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